「風邪に抗生物質投与は控える」ようやく厚労省が正式決定

薬を飲む人の画像

薬剤師の皆さんは「風邪に抗生物質はダメ」という事実と、現状とのギャップに頭を悩ませていたと思います。

 

しかし、この度厚生労働省が重い腰をようやく浮かせてくれました。もちろん、筆者としては非常に遅い判断と思っていますが・・・

 

「日本呼吸器学会」が2004年に「かぜに対する抗生物質の投与は無効。細菌による二次感染予防にも必要ない」とガイドラインを作成して以来、12年を経ての通知です。

 

今さら感は否めませんが、今後の風邪処方薬変化に期待したいと思います。

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「風邪に抗生物質投与は控えて」 厚労省が手引書

まずは、3月6日の日本経済新聞の記事をご覧ください。

 

厚生労働省の有識者委員会は6日、軽い風邪や下痢の患者に対する抗生物質(抗菌薬)の投与を控えるよう呼びかける手引書をまとめた。抗生物質を使いすぎると薬剤耐性菌が増え、治療に有効な抗生物質が将来なくなる事態が懸念されているため。早ければ今月中にも、日本医師会などを通じて全国の医療機関に配る。

 

 手引書では、一般的な風邪の原因となるウイルスには抗生物質が効かないことから、「投与を行わないことを推奨する」とした。医師が患者に説明する際に「抗生物質は効かない」と告げた上で、症状が悪化する場合は再受診するよう指示しておくことが重要だとしている。

 

 一方、ふだんより排便回数が1日3回以上増える急性下痢症は、ウイルス性、細菌性にかかわらず自然と良くなることが多い。そのため安易に抗生物質を使わないよう呼びかけている。

 

 厚労省によると、薬剤耐性菌への対策を取らなければ、2050年には同菌によって世界で年1千万人が亡くなるとの推計もある。

「日本経済新聞「風邪に抗生物質投与は控えて」 厚労省が手引書 2017/3/6 20:35より引用」

 

 恐らく薬剤師の皆さんであれば、「そんなこと今さら・・・」となるでしょう。

少なからずの脱力感はあるのではないでしょうか。

 

しかし、厚生労働書が重たい腰を浮かしてくれたという事実は、今後の適正な医薬品使用に関して光明となるはずです。

患者にとって望ましい医療に少しづつでも近づいていくことを期待しています。

知人の医師の見解

このニュースに関して、医療現場で働く医師に感想を伺ってみました。

20代男性の熱意にあふれた医師の見解です。

 

「今までは『抗生剤出してくれるのが良い医者』みたいな価値観の患者もいた。」

そうですよね。薬剤師の皆さんも十分にご承知のことかと思います。

 

「わかった気になって抗生物質を処方してる不勉強医師はざらにいる。」

薬剤師にしてみれば当たり前のことでも、医師にとっての薬というのは専門外ですからね。

 

「たとえ抗生物質が不要だとわかっていても、開業してると、客商売なので間違ってると思っても出さざるを得ない。」

これは納得です。患者が”抗生物質を飲まなきゃ風邪は治らない”と信じ込んでいたら、医師として処方せざるを得ないでしょう。”藪医者だ”と触れ回られたら、医院を開業し続けることは不可能です。

 

「これから、それが間違いだとわかると形勢逆転になる。」

これが一番の望ましい医療への第1歩だと思います。

今まで、患者のために敢えて抗生物質を処方していなかった医師が「正しい」医師だったという結論になります。

 

 

このように、今までは医師によって風邪に対する処方内容が異なっていたものが、厚生労働省の通知によって適正な処方に統一されるのは非常に喜ばしいことです。

今まで、キチンと理解して風邪の治療にあたっていた医師のみなさんも喜んでいる事と思います。

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コメント: 1
  • #1

    高田 (金曜日, 05 5月 2017 22:34)

    耐性菌の問題は人類の医療レベルが1900年代初頭に逆戻りするかどうかの問題だと思います。
    重要な問題にも関わらず、このような手引書を出す厚労省の不勉強ぶりは驚愕します。耐性菌を生み出した原因は抗生物質を使ったからではなく、短期投与のせいで死滅しなかった菌が残ったためです。風邪にも細菌性のものはあります。一律で抗生物質を止めてはいけません。禁止すべきは短期投与です。最低何日以上というガイドラインを作成しないと耐性菌の発現や拡大は防止できないでしょう。厚労省は耐性菌対策としてリネゾリドの使用をVRE感染症のみ許可していますが細菌が異種間で耐性を供与していることから考えて、間違っているでしょう。