医薬分業は薬剤師がお金を搾取するための制度らしい

怒っている薬剤師の画像

”医薬分業 医師と薬剤師が利益最大化で患者には二重搾取”

こんな題名のページがあったので閲覧したのですが…。

いやいやたまげました。

 

医薬分業に関する論争はさまざまあり、当然ながらメリットだけではないという所も理解していますが、まさかの「搾取」呼ばわり。

医師と薬剤師に対する冒涜です。

 

記事を書くのは勝手ですが、まずは現場(薬局)の取材をすべきですね。東京産業新聞社さんの名誉・信頼にかかわることだと思いますし。

医薬分業は薬剤師がお金を搾取している という記事について

ネット検索をしているとよく見かける、東京産業新聞社が運営している「ガジェット通信」。”医薬分業 医師と薬剤師が利益最大化で患者には二重搾取”(筆者は不明)という記事を目にして興味本位で読んでみたのですが…。

 

尖った記事は嫌いじゃないので多角的視点を得られるという目的でよく読んでいるのですが、この記事にはたまげてしまいました 笑。

 

私は昨夏、手足口病に罹り、皮膚科で塗り薬を処方してもらいました。その時の薬代は1580円でした。内訳は調剤技術料1050円、薬学管理料340円、薬代に当たる薬剤料はたったの190円です。私の医療費は3割負担のため、実際に払ったのは500円もしませんが、調剤薬局は190円の塗り薬を出すのに1390円も報酬を得ていたわけです。(引用:”医薬分業 医師と薬剤師が利益最大化で患者には二重搾取”ガジェット通信2016.12.16より)

 

この言葉は山野医療専門学校副校長で医学博士の中原英臣氏のものです。

医学博士といえば読者が納得するとでも思ったんですかね。

さらにはこう続けています。

 

「何が技術ですか。実際は医者が書いた処方箋に従って、棚から薬を出して袋に詰めるだけの作業が大半ですよ。薬学管理料は、薬剤師が副作用や薬の飲み方を患者に説明したことに対する報酬ですが、これも説明が尽くされているとも思えない」(引用:同上)

 

まさに現場を知らない人のお話しです。

いやいや確かにありましたよ。そんな時代は。医薬分業率が右肩上がりで向上する前の昭和から平成初期にかけてくらいですね。

 

「薬の費用(原価)が190円だから190円払えばいいだろ!!」っていう理論は小学生でも間違っていることくらいわかりますよ。

じゃぁ柔道整体師は原価ゼロなんだからボランティアでOKですか?(誇大解釈ですが…)

 

そして記事の最後の締めくくりは、

 

患者は医師に処方箋を書いてもらうため自分の時間を奪われ再診料という余計なカネを払い、院外薬局でも不当に高い薬代を払わせられる“二重の搾取”を受けているのである。(引用:同上)

 

あまりにも的外れの「医薬分業叩き」の記事にがっかりしてしまいました。

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医療に関する情報の氾濫について

この記事を読んで怖いなと思ったのは、世に知られた情報サイトでこのような記事が発信されていて、これを読む業界の内情を知らない一般消費者が「すべてを鵜呑みにしてしまう」ことです。

 

これは医薬分業の件だけのものではなく、すべてにおいて言えることですよね。

 

先日は医療情報サイトがこういった問題から次々と閉鎖されたわけですが、それは直接人体にかかわることとしてスピーディな流れでした。

しかし、このような医薬業界の内部事情については読者が身を傷めることがないため、Webサイトのルールが変わらない限りこれからも情報発信が続くものと思います。

 

このような状況の中で薬剤師(医療人)として大切なことは、そういった情報に心を揺さぶられないだけの判断基準を常に持っておくことです。そして、それを生活者の皆さんに自らの言葉で伝えていくこと。

 

心を揺さぶられないために必要なことは知識であったりメンタルであったりするわけですが、それ以前の問題として”ライターの無知”という現実も知っておくべきかと思います。

 

今回の記事を読めば一目瞭然ですが、医薬分業に関する歴史、現代の医薬分業に関するバックグラウンドを知っている人間であればこんな記事は到底書けるものではありません。

 

薬剤師の皆さんにはこうしたWeb情報の品質を知った上で、自信を持って活躍してほしいなと思います。

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