医療情報サイトが崩壊した件

頭を抱える薬剤師の画像

IT企業のDeNAが運営する医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」が公開中止になった問題は、医療人である薬剤師の皆さんには興味深いものだったと思います。

 

ぶっちゃけて言えば「今さら遅いよ。」という感じなんですが、この問題を受けてネット記事の規制が強化される流れ。

 

筆者は医療情報のみならず色んな分野の記事に不満がいっぱいあるので、どんどんネット記事の規制が強化されていって欲しいです。

 

ではでは「WELQ(ウェルク)」の問題を見てみましょう。

 

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キュレーションサイト「WELQ(ウェルク)」の問題点

「キュレーションサイト」って知ってますか?コトバンクによるとキュレーションとは、

 

「IT用語としては、インターネット上の情報を収集しまとめること。または収集した情報を分類し、つなぎ合わせて新しい価値を持たせて共有すること」

 

という意味です。

最近こんなサイト増えてますよね。無料ニュースアプリのグノシー(Gunosy)もキュレーションサイトの一つ。

 

DeNAが運営していた「WELQ(ウェルク)」もキュレーションサイトの一つですが、健康や医療に関する情報を掲載に特化した内容でした。

で、何が問題だったのか?というと

 

医療や健康の専門知識を持たないライターが書いた記事がほとんどとみられ、「センシティブなテーマを扱っているのに、内容の信頼性が薄い」「薬機法(旧薬事法)に違反した内容がある」「ほかのメディアからの無断転載をみられる内容が多い」などと、たびたび批判を受けていた。

 

10月には、「死にたい」と検索すると、トップに表示されるwelqの記事に不適切な内容が含まれていると批判され、DeNAが記事内の広告を削除する事態に。11月下旬には、「肩こりに関する記事に『幽霊が原因のことも?』と書かれており、まったく科学的ではない」などの指摘があり、批判が再燃していた。ORYCON STYLE(2016-11-26 08:07)「信頼性薄い」批判受け……DeNAの健康情報サイト「welq」、専門家が監修へ より引用

 

ということ。上記の記事を見ていただくとわかるんですが、「笑ってしまうくらいにヒドイ。」という感じです。

例えば、「肩こりに関する記事に『幽霊が原因のことも?』と書かれており、まったく科学的ではない」と非難を受けていたらしいんです。

お笑いのサイトじゃあるまいし、企業の倫理観を疑わざるを得ないですよね。 

波及した医療情報サイト

そして「WELQ(ウェルク)」の問題を皮切りに続々と医療関連の情報サイトが公開中止に追い込まれています。

 

毎日新聞社(<医療情報サイト>ウェルク公開中止 余波で記事の非公開相次ぐー2016年12月6日)によると、

 

DeNAグループ:計10サイトの全記事非公開に

サイバーエージェント:運営するサイト”Spotlight”の「薬」「風邪」など医療関連用語を含む記事をすべて非公開に

リクルート:投稿サイト「ギャザリー」で全体の4分の1にあたる1万6000件を非公開に

ヤフー:女性向けサイト「TRILL(トリル)」の外部依頼記事をすべて削除

LINE:「NAVERまとめ」に掲載する投稿の審査体制を強化すると発表

 

こうして見てみると、医療情報サイトはほぼ崩壊。

健康や医療に対する倫理観の欠如が招いた結果だとしか言いようがありませんね。

顧客(読者)が求める情報は何か?

ネットで医療や健康を検索する読者が求めている事は、医療の現場に携わった人にしかわからないと思っています。

医師、看護師、薬剤師etc・・・

 

しかし、現在ネット上で見られるほとんどの医療情報記事は医療関係ではない人が書いたものが多い状況です。

これって、いくら検索しても求める情報までたどり着けないわけで、インターネットの利便性、信頼性が欠けてしまっていることになっていますよね。

 

薬に関して言えば、当然法に基づいた情報でなければいけないし、誇大表現はダメ、エビデンスのない情報もダメ。

こんなに制約の多い記事を一般の人が書けるわけがないんです。

 

なので、この機会にネット上の医療に関する情報の整備をしっかりと進めて欲しいなって思います。

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問題点はこれだけか?

薬剤師の皆さんは既に気づいていることと思いますが、一番の問題は「健康食品」。

これはヒドイです。

 

健康食品を疑似医薬品のように見立てて「効能効果」が記載されているサイトが後を絶ちません。その他にも違法な内容のものがたくさんあるんですが・・・。

 

結局は広告やアフィリエイト収入を目的に、「儲かるんだったら何でもいい。」的なサイトが多いってことです。

 

せっかく医療情報サイトの見直しが行われるんだったら、併せて健康食品(ダイエットも含めて)も取り締まってほしいところです。

薬剤師の転職サイト

筆者の専門分野である薬剤師の転職についても問題を抱えています。

多くの薬剤師の転職情報サイトも”医療情報サイト”的品質であることは間違いありません。

 

筆者は薬剤師であり人事(採用・教育)出身者なので、その道のプロという自覚は持っています。その目線から見て薬剤師の転職情報サイトのほとんどは、プロが作ったものではありません。

 

「人材紹介会社の受け売りの言葉が並べられているだけ」であったり「他の転職情報サイトの内容転載」であったり。

転職に悩む薬剤師の本当に知りたいことが書かれていないんです。

読んでいて「薬剤師が喜ぶこと」を書き連ねているものがほとんどで、全然実態とリンクしていない。なので薬剤師は「騙された」と思ってしまう・・・、という悪循環ですよね。

 

SEO対策をしっかりやって「検索時に上位表示されるサイト」の多くはそんな感じです。まさにウェルク。

 

ただ、この場合は法を犯しているわけではないので結局はそれを読む薬剤師の判断に委ねられることになるのですが、知りたい情報に辿り着くかどうかが問題なんですよね。

 

本気で薬剤師の為を思って作られているサイトなのかを確認したうえで、自己判断することをおすすめします。

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