子ども・小児の用法用量を添付文書に明示へ

薬を飲む人の画像

共同通信社の47NEWSで、「医薬品、子どもの用法用量明示へ

来年度から添付文書に」という記事が発信されました。

 

厚生労働省が用法・用量の目安や安全に関する情報を添付文書に記載するよう製薬企業に促すという取り組みを始めるということです。

 

薬剤師の皆さんはご承知の通り、「適応外」が当たり前の子どもの処方箋ですが、服用量が既定されれば非常に調剤が行いやすくなります。

 

しかし、本当にうまくいくのでしょうか・・・

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こどもの用法用量を添付文書に明示する

医薬品、子どもの用法用量明示へ 来年度から添付文書に(共同通信社の47NEWS)2016/9/1 18:20

の記事です。

 

 医療用医薬品の添付文書に子どもに対する用法や用量の記載がない中、医師の判断で使う「適応外使用」が常態化している。こうした状況の解消に向け、厚生労働省が来年度から、医療機関などが集めたデータに基づき、用法・用量の目安や安全に関する情報を添付文書に記載するよう製薬企業に促す取り組みを始めることが1日、分かった。

 

 薬の開発段階で行われる製薬企業による臨床試験の多くは採算性の問題などから大人のみを対象としており、子どもでの効果や安全性が確認された薬は非常に少ないのが実情。厚労省の動きは、医療機関のデータを活用して子どもへの安全な投薬を目指す試みとして注目される。

 

医薬産業政策研究所の調査では、2003年4月から2009年1月までに発売された207の医薬品のうち、添付文書に子どもの用法用量が記載されていたのは全体の約3割にとどまっています。

 

厚生労働省は、国立成育医療研究センターの「小児医療情報収集システム」を活用し、約40医療機関から集められた約14万人分の小児に対する医薬品の投与量・方法、副作用などを既にデータベース化しています。

 

来年度、それらの医薬品情報を分析したうえで添付文書への記載を製薬企業へ促すということです。

医療現場の実態にあう添付文書になるのか?

まず、臨床試験が行われていない医薬品の情報を添付文書に記載することで、メーカーの製造責任が無くなってしまうことは忘れてはならないですね。

 

国の指導による添付文書の記載なわけですから、国が責任を取ってくれるものと信じるしかありません。それだけの覚悟を国は持っているのか不安ですが。

 

 

さて、小児の用法用量に関する添付文書の記載ですが、「採算性等の問題により臨床試験が行われていない」からと記載されています。

 

しかし、そんなに簡単な問題でないことは薬剤師の皆さんなら十分承知していることと思います。

 

小児の体は未熟であり、個体差が大きいことは誰でも知っている事でしょう。

 

 

呼吸器系などの急性期に使用する医薬品については一元的な使用が可能になるかもしれませんが、内臓や機能の発達による医薬品に対する個体差の影響は計り知れません。

 

疾患による使用医薬品の選定や服用方法については、その患者と対峙している医師の判断により決定されることが望ましいと考えるのは私だけでしょうか・・・。※小児特定慢性疾患の子どもを抱える親の気持ちとして

 

 

適応疾患や医薬品の種類により、用法用量の添付文書への記載が効果的になることは当然あるとしても、すべての医薬品に対して同じような考え方が出来ないのが小児の服用だと思います。

 

安全性と有効性の間にある医薬品です。

 

どちらかに振れてしまうことで、医薬品そのものの価値が低下してしまう恐れがありますので、少なくとも大きな幅を持たせた基準でなければならないでしょう。

 

だから、「今まで添付文書への記載が出来なかった」という製薬企業の考え方もあったのではないでしょうか。

 

 

全てをルール化することはメリットもあればデメリットもあります。

 

現場の判断が利かなくなるような改悪はやめてもらいたいものです。

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