薬局はチェーン化を目指すべき。

薬局の模型の画像

現在、”個人薬局・大手チェーン店”と薬局の営業形態が二極化されています。

 

個人薬局が全体の約70%を占めるだけに、大手チェーン薬局がバッシングされがちですね。仕方のないことなんですが…

 

私個人的には完全に「薬局のチェーン化」を推しています。今あるチェーン店がドウノコウノではなく、薬局が世に与える影響を考えるとチェーン化すべきだという考え方です。

 

なんの為に? 世の中の為に。

 

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チェーン薬局が世の中に与える影響

利益主義と言われバッシングを受けている薬局ですが、果たして本当に薬局のチェーン化そのものが”悪”なのでしょうか?

 

 

●生活者に与える影響

 

●医療に与える影響

 

●財政に与える影響

 

●社会に与える影響

 

 

以上の4点にフォーカスして、薬局のチェーン化が世の中に与える影響を以下に挙げてみます。

 

生活者に与える影響

生活者が薬局に求めるものは、

 

○生活圏に薬局があること。

 

○そしてその薬局が安心・安全を提供してくれること。

 

まず、現在においても問題が解決できていないのは無薬局町村があるということです。

 

全国で146町村(平成27年3月末)あります。※『厚生統計要覧(平成27年度) 』より

 

大手薬局チェーンで出店努力はしているものの、まだまだクリアされていない課題です。

 

医療は平等に受けられるべきですので、全ての生活者に対して薬局が生活圏にあり、安心を提供できるためには更なる大規模チェーンが必要となるはずです。

 

「この地域には薬剤師が住んでいませんので、薬局はありませんから。」

 

これで良いわけがありません。

 

これがクリアされなければ”処方箋薬のネット販売”論議が再燃するでしょう。

 

 

もう一つ、薬局が安心・安全を提供し続けるためには、薬剤師の資質の問題があります。

 

非常に優秀な薬剤師は個人薬局に多くいらっしゃることは承知していますが、薬局・薬剤師に”当たりハズレ”があってはなりません。

 

薬局の薬剤師資質の差は提供する医療の差になりますので、多くの生活者が平等な医療を望んでいる限り、薬剤師の資質は同一レベル以上でなければなりません。

 

多くの薬剤師の資質を均一に保ちながら教育育成することも大規模集団でなければできないでしょう。

医療に与える影響

大手チェーン薬局が「1990年代からの薬局の業務レベルやシステムなどの大幅な進歩に貢献してきた」ことに対して異論はないと思います。

 

そして、今後更なる調剤機器類の導入によって、薬剤師の業務を「対物から対人へ」と変えようとしているのが厚生労働省のビジョンです。

 

 

現在市場で流通している調剤機器類は、数十万円~数百万円のものがほとんど。

 

個人薬局において、高額な調剤機器類やシステムを導入できている所は少ないと聞いています。

 

しかし、それらを上回る水準の調剤機器類を導入し、薬剤師業務を対人化しようとしているわけですから、個人薬局にとって資金繰りは大きな課題となります。

 

 

例えばユヤマが販売している全自動PTP調剤ロボットの「ロボピックⅡ」は数千万円の投資が必要です。

 

1店舗を経営しているだけの薬局では到底無理な設備投資でしょう。

 

しかし、テクニシャン制度の導入でもない限り「対物から対人へ業務シフトする」ための調剤機器類は、全自動調剤ロボット抜きには考えられません。

 

 

今後、医療は更なるシステム化が求められることに間違いはありません。

 

設備投資に対して潤沢なキャッシュフローを生み出すためには、大規模チェーン化が必須となるはずです。

財政に与える影響

逼迫する医療財政問題ですが、調剤報酬額(特に薬価)のベクトルは下方向で推移することに変わりはありません。

 

「これ以上調剤報酬を下げられたら倒産する。」という薬局もたくさんあることと思います。

 

 

全国のおよそ70%の薬局が個人経営という中、経営努力によって調剤報酬減額に対してのリスクをヘッジするなんて到底無理なことです。※本来はすべきことですが…

 

薬剤師として働く以外にも、いわゆる薬局経営全般をしていては、薬剤師に求められる職責を果たすことも困難になろうかと思います。

 

 

現在、個人薬局の約90%が法人化されており、個人事業主と比較すれば求められる経営管理業務が煩雑です。

 

そこで、顧問税理士や会計士に経理を含めた決算業務をアウトソーシング。

 

チェーン企業に対するバッシングの中に、「公費や保険料から頂いている調剤報酬を○○に使用するなんて何事だ!!」という話があります。

 

その通りだと思います。

 

会社経営をするために税理士や会計士に、売上に対して数%も支払っているのはナンセンスですね。

 

売上高1000億円の企業に換算したら、数十億円を決算費用で使用することになります。

 

これが必要経費だとしても、規模拡大により売上対比0.001%未満に収まるのですから、調剤報酬の有用な使途は大手チェーン店に劣ります。

 

この話については、決算代行の話に限らず、経営すべてに当てはまることです。

 

 

また、薬剤師の皆さんがご存知の通り、医薬品の仕入れに関してはスケールメリットが利きます。

 

薬局のチェーン化が進むと、市場流通総額の縮小により、更なる薬価の引き下げが可能になります。

社会に与える影響

最も見落されがちな影響ですが、現在でもチェーン薬局は社会に大きな影響を与えています。

 

その筆頭となるのが

 

チェーン薬局が個人薬局の墓場になっているということ。

 

薬局の使命には「永続」というものがあります。

 

今後は特に地域社会に入り込む訳ですから、

 

「定年で薬局閉めます。」では無責任極まりありません。

 

しかし、現在においても薬局の後継者問題は深刻で、継ぐ人がいなければ閉めざるを得ない状況になっています。

 

ここで、大手チェーン薬局が経営を引き継ぎ、生活者の安心を守ってきたということです。

 

MACアドバイザリー株式会社によると、2016年度においては、非公表ベースの水面下で年間1,000店舗がM&Aにより薬局が継承されています。

 

 

「大手チェーン薬局をバッシングし続けている日本薬剤師会の幹部が、チェーン店に自薬局を売却した。」

 

「もっと高く買ってくれ。と価格交渉された。」

 

 

という笑えない話も聞いています。

 

こうして安心の社会を永続させるためには、薬局の経営責任を頭に入れておかなければなりません。

 

自分が引退しても生活者の服薬管理を続けられる仕組みづくりは、薬局経営者の使命でしょう。

 

後継者問題も事前に解決しておくことが、薬局経営者の責任です。

 

 

 

そして、薬局を経営できるのも社会に参加させていただいているからということも忘れてはなりません。

 

薬局が存在できるのも社会があるからです。

 

その社会に会社として貢献をしようと、現在、CSR活動(社会貢献活動)に注力する会社が増えています。

 

募金をはじめとする慈善事業やクリーン運動やその他さまざまな幅広い活動が行われています。

 

このような活動をしているからこそ、大手薬局チェーンなのに「地域に受け入れられている」ということを知っておいた方がいいと思います。

 

「薬局だから医療だけ」ではなく、さまざまな場面においてCSR活動を活発に行うためにも、薬局のチェーン化は必要でしょう。

もしも今、大手薬局チェーンがなかったら…

もしも今、大手薬局チェーンが存在しなかったとしたら、皆さんはどうしますか?

 

上に並べたチェーン化の影響を考えて、又は、患者に満足のいくサービスの提供が出来るように、

 

薬局のチェーン化を目指そうとしませんか?

 

スケールの働きやすい経済環境なのですから。

 

 

 

そして、必ず大手チェーン薬局が誕生します。

 

それが規模の経済です。

 

大規模企業はベクトルさえ誤らなければ、必ず、生活者に対して最高のサービスを作り出します。

 

それが生活者にとって最善のマーケットになるはずです。

スケールが変えたサービス

スケールの拡大によりサービスが向上したもの。

 

まず頭に浮かぶのは「コンビニエンスストア」です。

 

セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの3強となっていますが、

 

商品の質(味、新鮮さ、価格等)、品質管理、流通インフラ、どれをとっても生活者が安心・安全に利用できる仕組みを作り上げています。

 

もしもコンビニエンスストアと取り扱い商品が同様の個人商店があったら、皆さんはどちらを選ぶでしょうか。

 

コーヒー、おにぎり、惣菜、おでん…

 

多くの方が、「安心・安全」を提供しているコンビニエンスストアを選ぶことと思います。

 

この「安心・安全」は紛れもなく、スケールが作り上げたものです。

 

 

薬局のチェーンはまだまだ規模が小さく、本当に期待するスケールメリットは享受できていない状況です。

 

更なる再編が進んで巨大薬局チェーンが誕生したら、どんなサービスを提供してくれるのか非常に楽しみです。

 

あるいは、薬局機能の再評価を受けて、薬剤師の職掌が広がるかもしれませんね!

薬局のチェーン化は欠かせない

『チェーン薬局の在り方』に対して、過度な偏見を持った見方をしている方が多いのではないかと感じています。

 

「今がこうだからチェーンはダメだ」では、本当に良い薬局は作れないのではないでしょうか?

 

その会社経営の問題と、薬局市場の仕組みの問題を同じように捉えていませんか?

 

生活者が、医療が、医療財政が、社会が必要としている薬局に近づくためには、チェーン化は欠かせないものでしょう。

 

 

現在運営している大手チェーン薬局にも企業カラーがあります。

 

そして、その色は様々であり、そうであるべきです。

 

経営者が変われば会社はガラッと変わることもあります。

 

 

 

まだまだ、世の中から合格点をいただけるチェーン薬局はないと認識していますが、

 

異なるカラーの薬局が、お互いに競い合って医療提供サービスが向上し、CS(顧客満足)・ES(従業員満足)の向上につながるのが市場原理ですから、

 

まずは、世の中に良い影響を与えることのできるチェーン薬局が誕生してほしいですね。

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