漢方薬が苦手な薬剤師の皆さんへ【正しい漢方の学び方】

生薬(桂皮)の画像

医療用漢方製剤のマーケット拡大が続いているわけですが、薬局病院で働く薬剤師の皆さんは漢方薬の理解は出来ていますか?

 

何とも不可解な学問であることには間違いありませんね。

 

これさえ知っていれば”漢方薬の理解がすすむ”という方法がありますので、是非参考にしていただければと思います。

 

漢方薬が苦手でない薬剤師さんにとってもスキルアップに向けて何かヒントがあるかもしれません。

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漢方薬と一言で言っても

薬剤師の皆さんが漢方薬と聞けば、頭に思い浮かべるのは”ツムラ”だと思います。

 

ツムラの漢方製剤は日本市場の約85%を占めているので、調剤経験のない薬剤師はほぼいないかと。

 

 

ではでは、薬剤師の皆さんはその処方箋を記載した医師の漢方流派は知っていますか?

 

ツムラ、クラシエ、小太郎など、医薬品はほとんど変わりはないですが、なぜ、医師はその医薬品を処方したのか?という点において、漢方薬に対する理解が全く違うのです。

 

現代漢方においての漢方流派は

 

 

古方派、後世方派、折衷派、中医学派

 

 

と4つの漢方理論派があります。(折衷派は古方と後世方の折衷)

 

漢方理論として、最も学んでいる医師が多いのは古方派です。次に後世方派。

 

中医学については、市場に流通している保険医薬品では処方できないため、自費診療の場合がほとんどです。

漢方薬の学び方

「漢方薬が苦手だ」という薬剤師さんは、漢方における生体理論(漢方理論)や薬理などの考え方に蕁麻疹が出来るくらいの拒絶反応を示す方が多いですよね。

 

「医師の処方意図が理解できない。」

 

「色々な本で勉強しても意味がわからない。」

 

など、薬剤師の皆さんが抱えている漢方薬に対する悩みはほぼ一緒です。

 

医薬品そのものにはあまり抵抗がありません。

 

 

では、その医薬品を販売しているメーカーは「MRがどの漢方理論によってその医薬品を販売しているんだろう?」などと考えたことありますか?

 

 

ツムラは古方派(医薬品は後世方の方が多いですが…)

 

クラシエは折衷(または後世方)派

 

小太郎はオールマイティ

 

 

です(はずです)。

(あくまでも理論のお話です。医師は流派に関係なく、どのメーカーも処方していますのでお間違えなく。)

 

以前、クラシエの学術担当者に確認したところ、わからないと言われましたので、私がクラシエの理論から推測すると後世方に近い折衷派だと思います。

 

小太郎は生薬屋ですので、全理論を理解しています。

 

 

ということで、薬剤師が漢方が理解できるようになるために必要なことは、

 

1.処方する医師の漢方流派の漢方理論を勉強をする

2.メーカーの勉強会は一社に絞る

 

はい。たったこれだけです。

 

※医師の流派は確認しましょう!「古方(コホウ)ですか?後世方(ゴセイホウ)ですか?」でOKです。

※「ツムラ」と帰ってきたら、流派ではなくツムラの理論です。

 

余計な(違う流派の)本は読みません。混乱するだけです。

 

よくよく、聞いたことのある言葉は勉強したくなってしまいますが、ここは敢えて我慢です。

 

古方なのか後世方なのか、しっかりとどちらかの理論を理解をしたうえで勉強するようにしてください。

漢方薬が苦手な理由

「漢方を学ぶにはまずは陰陽五行論だ!」と一生懸命に勉強してきた真面目な薬剤師が、一番漢方を苦手としているはずです。

 

なぜなら、ツムラの漢方製剤(古方派)の漢方理論には陰陽五行論は存在しません。

 

陰陽五行論を覚えたところで、必要な知識ではないのです。

 

 

このように漢方には最適な勉強の方法があるはずなのですが、肝心のメーカーMRも自社の説明しかできない状況ですので、勉強のベクトルを間違えてしまっていた薬剤師が多かったのではないでしょうか。

 

<推察>

後世方派の医師の処方を、古方派の理論で勉強している薬剤師が多いのでは…

簡単に流派の特徴を紹介します

古方派と後世方派について、大まかに「違うんだなー」と理解できる差異を紹介していきます。

 

まずは、各流派の方書(処方の教科書)です。

 

古方派 : 『傷寒論』『金匱要略』

後世方派 : 『黄帝内経』の流れを汲んだ方書

 

となっています。

 

ただし、実際の医療の現場ではどちらの流派もお互いの祖典(ベースとなる方書)から処方することもあります。

 

 

次に主となる漢方理論です。

 

古方派 : 表裏虚実

後世方派 : 陰陽五行・気血津液(水)

 

となっています。

 

ここで、勉強の方向性を間違ってしまう薬剤師が多いのではないでしょうか。

 

 

このような違いがある中でも、診断は同じように「証」を探っていくわけですが、

 

教科書や理論が違えば「証」を薬方(処方)に結びつける所で、”疾患の治し方や処方の用い方”の違いが出てくるということです。

積極的に勉強会へ参加しましょう!

漢方に対して熱心に取り組んでいる医師は、たくさんの研究会などに参加し、医局(自院)でも積極的にカンファレンス(勉強会)を開催しています。

 

漢方を学ぶ(学びたい)専門家の団体は異様に(?)結びつきが強く、意志を持った方は歓迎してもらえるはずです。

 

漢方は理論を理解すれば、非常に奥深く面白い学問ですよ。

 

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