調剤薬局の2015年度決算が良すぎ。これはマズい。

決算書の画像

調剤薬局各社の2015年度決算が昨日で出そろいましたので、主だったところを抜粋してみます。

 

上場している薬局においては、売上高・利益高共に堅調であり、前年実績を割り込んだ会社はゼロでした。

 

どちらかといえば大幅アップという感じですね。

 

問題は営業利益率です。次回の調剤報酬改定にどんな影響が出てくるのか非常に不安なところです。

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売上高

<2015年度決算 売上高ランキング>

 

   会社名          売上高        対前年比

1位 アインHD     2348億43百万円  25.0%

2位 日本調剤     2192億39百万円  20.6%

3位 クオール     1249億57百万円  9.3%

4位 総合メディカル  1207億76百万円  11.9%

5位 トーカイ     1055億17百万円  7.5%

※調剤事業以外の売上も含む

 

昨年度に引き続き、アインホールディングスが調剤薬局業界トップの売上でした。

 

上位2社の売上高がその他企業と比較して、対前年比の伸び率が高かったです。

 

ただし、この流れはいつでもすぐに変化することがありますので、来年の業績がどのようになるのかはわかりません。

 

 

 アインHDの強み 
なんといってもアインHDの強みは見事なまでのM&A(合併吸収)戦略です。
 
本決算期は、四国最大の調剤薬局チェーン、NPホールディングス(売上高61億円の西日本ファーマシー、売上高3億円の瀬戸内ファーマシー)を56億円で買収しています。
 
過去10年で考えると、全出店のうち半分以上がM&Aによる店舗増ですので、これだけのM&A案件を成立させるだけの力を持っていることが大きな武器と言えます。

営業利益高

<2015年度決算 営業利益高ランキング>

 

   会社名        営業利益高      対前年比

1位 アインHD     146億19百万円  27.7%

2位 日本調剤     104億89百万円  57.8%

3位 トーカイ     75億13百万円  5.9%

4位 クオール     67億09百万円  58.1%

5位 総合メディカル  60億87百万円  21.3%

※調剤事業以外の営業利益も含む

 

ここでもアインHDの強さが分かります。

 

対前年比では日本調剤とクオールが50%以上の伸び率となっていますが、見方を変えれば前年が悪すぎたということです。

 

この決算から、上位5社においては全社堅調な実績が残せたといっていいでしょう。

営業利益率

是非注目していただきたいのが、この営業利益率です。

 

   会社名      営業利益率

1位 トーカイ      7.1%

2位 アインHD      6.2%

3位 クオール      5.4%

4位 総合メディカル   5.0%

5位 日本調剤      4.8%

 

※調剤事業以外の営業利益も含む

 

薬局は儲けすぎなんじゃないの?

 

と言われるゆえんが営業利益率です。

 

 

では、下の医療法人の経営状況(平成20-25年度)の表をご覧ください。

 

黄色下線部が一般企業の営業利益率にあたる医業利益率です。

医療法人の経営状況の表
引用:メディ・ウォッチ(運営会社:株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン)

年度の違いはありますが、病院は年々収益が悪化しているのが明確に分かります。

 

 

その分、営業利益率が高くなればなるほど薬局にはまだまだ余裕があると思われてしまいます。

 

トーカイ(たんぽぽ薬局)・アインは営業利益率が非常に高いですね。

 

これって、経営としては非常に優秀であることに間違いはないんですけど。

 

 

 

そこでちょっと気になるのは、私の知る限りこの2社は

 

薬剤師の給料が低い

 

ということです。

 

余裕があるのではなく、従業員の待遇が悪いのでは?と勘ぐってしまいます。

 

(実際には両社とも環境は良い会社と聞いていますので悪しからず。)

 

 

日本調剤は社長貰い過ぎというのは周知の事実ですが、従業員にもしっかりと還元していますので、この5社の中で従業員の年収もNO.1です。

 

 

しかも、利益を従業員に還元し、最終利益をある程度に抑えることによって薬局儲け過ぎなんじゃないの?と言われません。

 

 

まぁ、問題の端を発した会社ではあるんですが…

 

しかし、これが現実です。

 

 

無理に給料を上げることは当然ダメなことですが、適性な給料にすることは必要だと思います。

 

アインHDと日本調剤の平均年収で100万以上の差がありますので。

 

年収は20%以上低いんです。

 

参考: 平均年収 アインHD 431万円(32.2歳)、日本調剤 556万円(34.6歳)

 

 

たんぽぽ薬局とアインHDは傍から見れば、「従業員給料アップのための余裕のある会社」です。※実態はわかりませんが、決算書を見る限り。

 

 

これから平成28年の報酬改定が来年の決算にどれだけの影響が出るかはまだ分かりません。

 

もし、営業利益率が引き続き今年度と同じような実績だった場合、大幅なマイナス改定はほぼ確実ですよね。

 

利益を内部留保に回すくらいなら、従業員給与に回してほしいです…。

 

 

日本の薬局をリードする会社なんですから、ぜひ薬剤師の待遇向上にも向き合って欲しいものです。 

 

 

 

※薬局は儲け過ぎじゃないか?については別記事で発信する予定です。

 

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