薬剤師が足りないのに薬局をどんどん出店する理由。

薬局の新規出店工事の画像

チェーン展開している薬局に勤めている薬剤師の皆さんには「また新店かー!!」っていう経験ありますよね。

 

現場のことを考えずにどんどん新規出店されても、薬剤師の人数は足りないです。 

 

薬局あるあるですよねー。

 

会社には薬局の現場と違った”もう一つのビジョン”がありますので、それを解説しようかなと思ってます。

 

でも会社側の肩はもちませんよ。薬局現場では業務が滞っているわけですから、やっぱり間違っていると思ってます。

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会社がどんどん薬局を出店する背景

会社はなぜ出店するのか…。

 

「出店競争に勝つためです。」ってよく聞きます。

 

では、なぜ競争に勝たなければいけないのか?

 

これが明確にならないと、会社の意図はくみ取れないということです。

 

日本は資本主義社会です。そして、調剤薬局は小売業に分類される会社法人ですから、資本主義の原理原則で考えていきましょう。

 

簡単に説明します。

資本主義って?

資本主義は”弱肉強食”だとか”競争社会”とか表現されますが、結局は強いものが生き残る社会です。

 

資本主義とはいっても実際、日本は社会主義的(国鉄、NTTなどが良い例)だったため、様々な面で他国に後れをとってしまいましたよね。競争原理が働かなければ、顧客軽視をしてサービスが向上しません。

 

良い例が、高速道路のサービスエリア。

 

以前は参入できる会社が限られていたのが、今では規制緩和でいろいろな会社が競い合い、おいしい食事を安く食べることが出来るようになりました。

 

携帯電話の料金も然りですね。

 

これも競争原理が働いてこその結果です。

 

 

結局は、競争原理が働くと顧客志向が大きくなり「顧客に高い評価を得た会社」が生き残っていくというわけです。

調剤報酬のマーケットとシェア

平成26年調剤報酬シェアの円グラフ
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では調剤薬局の業界では、どのようなマーケットになっているのか見てみましょう。

 

平成26年の調剤総報酬額は7兆1515億円でした

 

その年の調剤報酬額上位の会社(上場企業のみ)を見てみると、

 

  1. アインホールディングス 1690億6300万円
  2. 日本調剤 1579億9900万円
  3. クオール 1032億4200万円
  4. 総合メディカル 721億3500万円
  5. メディカルシステムネットワーク 717億4300万円

上位5社の調剤報酬額を合計すると、5741億8200万円という結果です。

 

総報酬額に対する割合は、5741/71515×100≒8.03%

 

調剤薬局の上位5社の売上シェアは市場全体の約8%です。

コンビニ業界と比較してみましょう。

平成26年コンビニ業界売上シェア
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円グラフをご覧いただければ、説明はいらないですよねー。

 

コンビニマーケット10.42兆円に対して、セブンイレブンの売り上げが4.01兆円、ローソンが1.96兆円、ファミリーマートは1.86兆円、サークルkサンクスが0.99兆円。

 

 

 

なお、サークルkサンクスは今後ファミリーマートへ吸収される予定です。

 

上位4社の売上高でコンビニ市場の約85%のシェアを持っています。

 

資本主義社会では、コンビニ業界のように”強い会社”が生き残ります。薬局業界もこのように業界が編成されると言われているんです!!

 

薬局の生き残り競争はこれからが本番

コンビニ業界のように成熟されると商品の質・サービスの質も向上し、結局は「顧客評価の高い会社」しか残っていないことが分かります。※北海道のセイコーマートなどのように地域で超強力なサービスを展開し、地域NO.1のコンビニもあります。

 

さて、調剤業界はというとまだまだ「どこが生き残るかわからない戦国時代」であり、資本主義の原則から考えると生き残りが出来る大手企業の数は片手(5社)以内です。

 

こんな中、会社は次世代への生き残りチケットをかけて出店攻勢をかけているということです。

 

生活者にとってはサービスが向上されますので、間違いなくプラスに働きます。

 

日本にとっても調剤薬局に超大手企業が出現すれば、スケールメリットにより調剤医療費を安くすることができますので、これもプラス。

 

ではでは当の薬剤師にとっては?

 

考えたくもありませんね…

薬局の出店攻勢のひずみ

冷静に薬局業界の現状を考えてみると、論理的に日本に必要な薬局数の出店は終わっているはずです。

 

平均的な調剤薬局の処方箋応需枚数と薬剤師人数については、今後必要となる薬局の姿には程遠い状況です。

 

今後必要となる薬局とは、「地域に根差した訪問機能のある薬局」

 

国は薬局に対して24時間の対応を求めているわけですから、最低でも3人の薬剤師が居なければ無茶な話になってしまいます。

 

現在は度重なる出店により1店舗当たりの薬剤師人数・応需処方箋が分散している状況ですが、ベクトルとしてはいつか地域の基幹店舗に薬剤師と応需処方箋が集中する日がくることと思います。

 

というか、そうでなければ困ります。

はっきり言って薬剤師が足りません

現在の薬局マーケットで考えれば、出店の方が多くなって当り前ですが店舗数の伸び率は毎年縮んできているのも事実。

 

現場が追いついていないことを経営側も分かっているはずです。

 

では、これからどうなるのか?

 

このままで行ったら、資本主義競争であるマーケットシェア拡大の争いと、医療計画である”地域包括医療”の推進により、全く逆のことが求められます。

 

会社生き残りのために・・・店舗数の拡大が求められる

 

地域医療のために・・・1店舗当たりの薬剤師数の増員が求められる

 

 

それでも”薬剤師が過剰”だと言っている人たちを見ると、ホント腹立ってきます(# ゚Д゚)

新規出店せずに会社を拡大するには?

それでも2つのベクトルを同時に達成したいのであれば、プロセスは一つしかありません。

 

「M&A」です。合併・吸収のことです。マーケットに薬局数を増やさずに自社の拡大をするにはこれしかありませんよね。

 

しかも、言葉は適切でないかもしれませんが、M&Aは店舗と同時に薬剤師まで吸収しますので今の時代に適した方法のはずです。

 

実際に吸収された会社に勤めている薬剤師にとっては運命の分かれ道になりますが、吸収された後の待遇については今度ブログで書きますね。

 

 

M&Aを業界の先頭をきって行っているのが、アインホールディングス。

 

2006年からの10年間で増えた店舗のうち、およそ60%がM&Aによる増加分です。

 

 

今後、調剤薬局業界のM&Aはさらに加速しマーケットの集約がおこるはずですので、このブログをご覧の薬剤師の皆さんは”勝ち組”に居てくださいね!

 

吸収されたらたまったもんじゃないですよ!

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