薬局は医療機関なのになぜ利益主義なの?

決算書の画像

薬剤師の皆さんは薬局の運営、経営を「利益主義」だと感じている人が多いのではないでしょうか。

 

現に利益を優先して薬局運営、経営をしている会社も存在するかと思います。

 

薬剤師として医療に向き合っている皆さんにとっては、薬局が利益を上げることに理解が出来ない方も多いと思いますが、医療機関と会社の存在意義から利益主義の薬局について考察していきたいと思います。

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医療機関と株式会社

医療機関については薬剤師の皆さんがご存知の通りサービス業に分類されますが、医療におけるサービス業はその他の会社とは多少なりとも趣向が異なります。

 

それは患者の意識も同様で、いわゆる顧客が医療機関に求めているものは単なる「サービス」でなく、結果だという事です。そして、直接的に顧客の生命や健康に関与するサービスを行っていることが医療機関の最大の特徴ですね。

 

この点において薬局も含めた医療機関が顧客ニーズに応えるためには、専門家(薬剤師、医師など)としての職務を高度なレベルで遂行することが不可欠になります。

 

しかしながら薬局の多くは「会社」であって、医療機関であるとともに会社という側面も持ち合わせます。

 

会社の運営には様々な目的や目標がありますが、当然その中の一つに「利益を得る」ということも入る訳ですね。

では、会社にとっての利益とはどういったものなのかを理解してみましょう。

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会社にとっての利益とは?

一般論になってしまいますが、「利益を得る」という事は会社経営における大事な目標のひとつです。

しかし、「会社の目的そのものではない」ということは忘れてはいけません。

 

どの会社にも年単位で、月単位で「どれだけ利益を出すのか」という目標があります。

しかし、「利益は何のために必要なのか?」ということについて語られることは少ないように思います。

 

結果的に得られた利益は会社の永続的な経営、成長に必要な資源です。その会社を利用している顧客の期待に添うように長期に亘ったサービスの提供を行うことが出来るように「利益という資源」が必要になります。

 

医療従事者としての薬剤師の皆さんにとっては「利益を上げる」という行為に嫌悪を抱いている方が多いと思いますが、皆さんの抱いているそれは「暴利」であって経営に必要な資源を得ることとは異なります。

 

薬局の経営で利益を得たり、内部留保を増やすことは「環境の変化(法改正やシステム等)に対応するため」であったり、「災害時などの不測の事態に備える」ためです。

 

結果として、永続的にその薬局が「そこにあること。」が患者に対しての最大のサービスだ、というのが薬局(会社)が利益を必要とする理由なんですね。

家計簿と比べてみる。

上場している薬局は1年の収支報告を「決算」という形で公にしています。

収入と支出を計算して最後に残ったものが利益となるわけですね。

 

実はこの収支報告は皆さんの生活における家計簿とまったく同じで、収入というのはサラリーマンであれば「給料」に置き換えられます。

 

支出は経費なので、「家賃」や「食費」などの項目です。

 

そして、会社の利益(営業利益)というのは、収入から支出を引いたものなので、家計簿でいうと「繰り越し」や「貯金」にあたるという事です。※現実の決算はもう少し細かく計算されています。

 

「給料の何%を貯蓄にまわせばいい?(All Aboutマネー)」を見てみると、現役世代の貯蓄率は15-20%のようです。

今後の生活を考えると、貯金をしていかないと何かと心配ですよね。

 

では、会社経営ではどれくらいの比率で将来への資金を残しているのでしょうか?

 

売上トップのアイングループは、平成29年4月期第3四半期決算を見ると、

売上高  182,100,350(千円)

売上原価 152,007,928(千円)

経費   20,501,181(千円)

営業利益 9,591,241(千円)

となっています。

 

売上に対する営業利益率を計算すると、5.26%です。

業績NO.1のアイングループでもこれくらいの利益率しかありません。

 

健全で安心な家庭を築いていくために貯金が必要なのと同じで、会社経営も将来を担保する資金が必要なんですね。

 

”薬局の社長が年収数億円”とかいうニュースが、薬局経営の本質を捻じ曲げてしまっているんだと思います。

「適正な利益」を必要としている、ということを覚えておきたいですね。

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