年俸制で注意すべきこと

年俸制で働くサラリーマンの画像

調剤薬局ではあまり見かけませんが、ドラッグストア業界の中で「年俸制」の給与形態をとっている大手企業があります。

 

年俸というとプロのスポーツ選手の給料制度として有名ですが、一般的なサラリーマンにとってどのような仕組みになっているのかを紹介します。

 

また、年俸制の注意点がありますので、それをしっかりと理解したうえで転職活動にあたってくださいね。

- 目次 -

※下記ページ内記事の見出しをクリックすると文の先頭にジャンプします。 

1.年俸制とは

 1-1 年俸制の注意点

 1-2 年俸制と月給制で年収はどちらが高いのか。

<スポンサーリンク>

年俸制とは

まず、最初にお断りをしておきますが、プロ野球選手の年俸制とサラリーマンのそれとは一緒ではありません。

 

プロ野球選手の年俸制は「請負契約」、サラリーマンの年俸制は「労働契約」になります。ですので、「年俸が去年の半分になってしまったー!」なんていうことはありませんので悪しからず。

 

しかし、その話は抜きとしても本来年俸制は成果主義の会社に多く、私的には「調剤薬局やドラッグストアなどの公共性の高い会社にはふさわしくないなぁ」と思っています。

 

しかし、この年俸制は「薬剤師を採用する」という1点に絞って言えば、非常に有用な制度です。※薬剤師を採用する時に既存スタッフとの給与バランスの取れた待遇を決めやすいというメリットです。

 

では、どのような制度か説明をしていきます。

 

一般的な給与制度の”月給制”に対して”年俸制”があります。月給制はひと月あたりで給与を決定するのに対し、年俸制は1年あたりで給与額を決定する制度ということです。

 

ボーナスなども含めて、期の前に会社との話し合いのもとで給与額を決定します。

では、覚えてくべき簡単な特徴を記載します。

  1. 年に1回会社(上司)との話し合いで給与が決定し、それは変動しうる
  2. 残業は年俸に含まれない

以上が、知っておくべき年俸制の特徴です。給料の支払い回数は会社との取り決めで12回でも14回でも可能ですが、少なくとも月1回の支払いをしなくてはいけないルールになっていますので、その点は安心してください。

目次に戻る

年俸制の注意点

上記で年俸制の特徴を記載しましたが、記した特徴の中で注意しなければならない点をわかりやすく説明していきます。

 

今の時代は薬剤師が不足していて、従業員が不利になることはほぼないはずです。しかし、薬剤師が余剰な時代が来たとき、薬剤師の生活が守られるかどうか、これが問題です。

 

  • まず、年俸制は上にも下にも変動するということです。月給制の場合は会社が給料を下げたいと思った時、法律上「基本給」を簡単に下げられない仕組みになっています。しかし、年俸制は個人の契約ですので、簡単に給料が下がってしまう可能性があるということです。
  • 本来、残業代に関しては残業単価を割り出して1時間当たりの残業を支払うのが原則ですが、固定残業代のルールになっている会社が多い(この業界の話でなく、年俸制を取り入れている会社)と感じています。そのため、賃金が仕事時間に対して少なくなる場合があります。
  • 年俸の改定の際、何を基準に改定するのか、その基準が明確でない場合が多いです。上にも書いた通り、本来は成果主義の会社で運用される制度ですので、薬局の売り上げをどのように評価するのか不安なところです。

3点上げましたが、皆さんはどう感じられたしょうか?「何歳の時に年収いくら」という道筋が見えないのが非常に不安なところだと思います。プロ野球選手のように年俸○億円とか○千万円とかであれば将来に向けての貯蓄ができると思いますが、サラリーマンの年俸制でそれは考えられません。

 

私は薬剤師でありながらも人事の仕事をしている人間ですので、従業員の生活を守るということを必至で考えて仕事をしてきました。私も含め薬局・ドラッグストアで人事の仕事をしている人たちにとっては、この年俸制というのは薬剤師には適さないのではないかと考えているはずです。

目次に戻る

年俸制と月給制で年収はどちらが高いのか。

いろいろな薬剤師に話を聞いてみて「年俸制は年収の上限が無い」というイメージを持っている方が多いので、ここで月給制との年収の違いをお話ししておきます。

 

どちらをとっても、「得られた利益の中から給料が出ますのでそうそう変わらないです。」というのが結論なのですが、調剤薬局を例に考えてみましょう。

 

薬剤師一人当たりの処方箋枚数は1日40枚と法律で定められています。年俸制であっても月給制であっても変わりません。

当然、薬剤師一人当たりの労働生産性も変わりません。

 

「処方箋1枚当たり1万円の売り上げ・3000円の利益(原価率70%)」とした場合、1日20枚の処方箋を応需しておよそ6万円の利益を一人で稼いだことになります。

 

月間労働日数はおよそ21日ですので、月間で126万円利益を上げている計算です。家賃光熱費で売り上げの15%(一般的にこんな感じですかね。)、63万円の経費が使用されると、薬剤師一人で稼いだ営業利益は63万円ということになります。

 

チェーン薬局の場合、本部経費がおよそ5%ですので、残るは42万円です。

 

かなり雑な計算をしましたが、薬剤師の給料は法律で処方箋応需枚数の上限が決められていますので、当然のごとく給料にも上限があるということになります。

 

「42万かー」って思われたかもしれませんが、処方箋単価が1万2千円になったり、1日25枚処方箋調剤をすればもっと利益は出てきます。

 

いずれにせよ、年俸制・月給制のどちらでも年収格差はないというのが結論です。

 

最後に、年俸制で有名なウエルシアホールディングスの新卒初任給は600万円(平成28年度実績)というのは皆さんご存知かと思います。

 

ホールディングスの本社で働いている方々の平均年収ご存知ですか?

 

ウエルシアホールディングス従業員の平均年収 = 709万円

※平成27年2月28日現在、従業員数7名、平均年齢55.6歳

目次に戻る

<スポンサーリンク>

<スポンサーリンク>