調剤併設店でOTC調剤兼任の薬剤師をおすすめしない本当の理由

止めている薬剤師

登録販売者が誕生するまでは薬剤師OTC調剤を兼任するという働き方は一般的でした。

 

しかしながら、現在、OTC調剤兼任薬剤師での転職を考えていてる方には注意しておかなければいけないことがあります。

 

それを踏まえた上で転職を考えたほうがいいかもしれません。

 

薬剤師には資格者としてのOTC医薬品の販売であったり調剤業務であったり、職位として一般職であったり店長であったりと色々な働き方がありますが、

 

ここでは「薬剤師」という資格者としての働き方にフォーカスして説明をしていきます。

- 目次 -

※下記ページ内記事の見出しをクリックすると文の先頭にジャンプします。 

1.薬剤師調剤業務の変化

2.薬剤師OTC業務の変化

 2-1 OTC調剤兼任薬剤師の職場環境

 2-2 OTC調剤兼任薬剤師の経験談

3.厚生労働省が考える薬剤師の仕事とは

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薬剤師調剤業務の変化

調剤の業務を担う薬剤師の業務をご存知でしょうか。多くの方が経験している薬局薬剤師の業務は

  • 患者インタビュー
  • 処方せん内容の確認
  • 調剤
  • 用法指示
  • 服薬指導
  • 薬歴管理
  • 医ー薬連携

といった業務内容かと思います。実は上記の業務内容の時代に調剤併設での兼任薬剤師が大量に増えたという過去があります。しかし、薬局の薬剤師にあるように現在の薬剤師に求められている職責は、下記の内容です。

  • 患者インタビュー
  • カウンセリング
  • 処方内容の確認
  • 処方意図の解析
  • 調剤
  • 用法指示
  • 後発医薬品の調剤
  • 在宅調剤
  • 服薬指導
  • 薬剤情報提供
  • 薬歴管理/活用
  • モニタリング
  • リスクマネジメント
  • 患者服薬情報提供
  • 医ー薬連携
  • 薬ー薬連携
  • 他職種連携
  • コンサルテーション

これらの調剤業務が今求められている内容ですが、これは調剤専任の薬剤師でも大変な労力のいる内容になっています。特に一人当り処方せん応需枚数が30枚を超えてくると、もう回りません。

 

でも実際はこのような厳しい状況の中で薬剤師は業務しなければならないということなんです。

OTCを兼任して片手間で調剤をするような時代なのか、考えなおしたいものです。

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薬剤師OTC業務の変化

OTC業務についても大きな変革がありました。セルフメディケーションを国策として掲げ、国民総医療費を抑制するという経済政策のなかで大切な位置づけとなっています。

 

平成20年には特定保健指導(検診)が始まり、治療前のカウンセリング、生活指導が重要なステップとして位置づけられました。ここで、OTCにおける薬剤師に求められることが大きく転換しています。

 

平成20年以前は「OTC薬剤師は軽医療分野の対症療法医薬品」を販売していればいいという薬剤師業務内容でした。それが現在では「医療機関で受診をしてもらえない初期の生活習慣病患者の応対」が加わり、相応のスキルがなければ務まらないOTC業務となっています。

 

皆さんご存知の「ナイシトール」はトリグリセリド低下作用の医薬品ですから、脂質異常症の顧客対応をしなければならないというのは明白です。

調剤を兼任して片手間で調剤をするような時代なのか、考え直したいものです。

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OTC調剤兼任薬剤師の職場環境

上記に記載があるとおりに調剤併設店兼任薬剤師の仕事をイメージしたらどうでしょうか?

 

上記の業務内容は「薬剤師の責任」の話ですので、どれだけの責任を負って毎日の業務を行うのかという風に考えれば分かりやすいと思います。

 

調剤業務を全て一人で行って、OTCのお客様が来たらすぐに対応、店舗のオペレーションにも携わって・・・と、本当に現在の調剤併設店の兼任薬剤師は厳しい職場環境になっていると思います。

 

それだけの給料がもらえるのであれば良いのですが、薬剤師2人分の給料なんて出してくれる会社は有りません。良く「アメリカの薬剤師は・・・」という話を聞きますが、アメリカと日本の薬事に関するルールが全く異なる中で、アメリカのことを引き合いに出しても仕方がありません。ここは日本ですから。

 

このように、現在のドラッグストアにおけるOTC調剤兼任薬剤師の職場環境はどんどん悪化しています。これからも薬剤師の職責が大きくなれば、それを一人で背負っていかなければなりません。その悪循環は会社が止めるのか自分で止めるのかどちらかでしかないと思います。

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OTC調剤兼任薬剤師の経験談

最後に少し話は逸れますが、過去に私が薬剤師から聞いたOTC調剤兼任薬剤師のお話をします。

私もこの話を聞いて色々と考えてしまいました。

  • 処方せん応需が1日10枚くらいの店舗で働いていました。1日10枚だからと言って1時間に1枚ずつ処方せんがくるわけではありません。ある日、次から次へと患者様が来局し、なんと待合コーナーに5人もの待ちが出来てしまいました。薬剤師は一人しかいないし、どうしようもありません。そこにOTCのお客さんがやってきて「風邪薬選んで」と。目の前のOTCのお客様応対をせざるを得ず、待合コーナーでイライラしている患者を横目に風邪薬のコーナーまでご案内をしました。このときこう感じたそうです。「患者を選ばなければいけない状況に限界を感じた。」と。これは当該薬剤師が退職を決意した瞬間だそうです。

 

  • 10年ほどOTC薬剤師兼任で薬剤師業務をしてきました。結婚し子供が生まれ、人生これからというときに考えたことです。店舗には常時薬剤師は一人しかいません。自分がいない時間はパートさんが入店しています。子供が生まれておよそ3年間、希望休がゼロでした。社員の自分はパートさんよりも休日を優先させてはいけないことはわかっているし、今までそれが当たり前だと思っていました。しかし、今度子供が保育園に入園することでいろいろと考えたら、この環境ではもう働けないと思ったんです。子供の運動会や参観日にも出席できないのは父親として辛いです。

いかがでしょうか。結構刺激的な話ですよね。過去私が面接官をした時のお話でした。

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厚生労働省が考える薬剤師の仕事とは

厚生労働省が発信した「患者のための薬局ビジョン」において、今後薬剤師はかかりつけ薬剤師として「地域包括ケア」の一翼を担うことが求められています。

 

その中で薬剤師の機能にも言及されていますが、薬剤師の職務は「対人業務」にシフトしていく予定です。

 

調剤併設のドラッグストアであれば、

 

OTC医薬品、介護用品、衛生用品の販売、調剤業務

 

が薬剤師として行うべき業務になっています。

 

 

雑貨や食品等の販売にかける時間は無いのではないかと思うほどの、薬剤師に求められる機能が盛り込まれていますので、はやり、併設店の薬剤師の業務内容については事前に確認をしておかなければいけませんね。

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