調剤薬局の薬剤師業務内容の変化-過去50年で変わったこと

薬局における薬剤師の仕事

薬局における調剤業務は薬剤師資格者の中で最も従事者数の多い仕事です。およそ半分の薬剤師が調剤薬局で勤務をしています。

 

働く場所となる調剤薬局は全国に5万件を超え、地域医療の中で存在感を示しつつあります。”地域医療への貢献”の内容は別に説明するとして、ここでは基本的な薬剤師の仕事(職務)について説明します。

 

薬剤師が調剤の現場で何を仕事として、何の責任を負っているのか、転職を考えている薬剤師にとって知らなくてはならないことですよね。まずは確認しておきましょう。

- 目次 -

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1.調剤薬局における業務内容とは?

 1-1 薬剤師業務の変遷

 1-2 薬剤師業務と責任

 1-3 現代調剤の実態

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調剤薬局における業務内容とは?

調剤薬局の薬剤師の仕事といえば、昔から「処方箋応需~薬歴の管理」までの一連の”業務”について世間一般的に認知されてきたと思います。しかし、超高齢化社会・財政逼迫という国内の社会的問題が顕在化され、薬剤師に求められることも時代とともに変化しています。まずは、日本薬剤師会の資料をご覧ください。

日本薬剤師会 薬局における調剤業務の変化
薬剤師の将来ビジョン(日本薬剤師会平成23年より引用)

薬剤師業務の変遷

薬剤師の業務が国で調剤報酬点数化されている実務であることを前提とすると、以下のような変遷となっています。

また、法律により薬剤師や薬局の位置づけや責任に対する変化が起こったものも斜字で記しました。

 

1956年 医薬分業法における調剤報酬は「内用薬、外用薬の物理的な業務に対する調剤のみ

 

1960年 薬剤師法制定、第一条により「調剤」「医薬品の供給」「薬事衛生」が薬剤師の担うべき業務とされた

 

1983年 投薬特別指導料が新設

 

1986年 薬剤服用歴管理指導料が新設

 

1988年 在宅薬剤管理指導料が新設

 

1992年 医療法にて薬剤師が「医療の担い手」と明記された

 

1997年 薬剤師法にて「調剤時における必要な情報の提供」が義務付けられた

 

2000年 居宅療養管理指導料が新設

 

2006年 医療法にて薬局が「医療提供施設」として位置づけられた

 

2012年 薬剤服用歴管理指導料に各種加算評価が設定

 

これらの大きな変化に伴い、上述したような調剤業務の変化が起こっています。

調剤薬局はこのように非常に短い期間に、大きな変化を繰り返してきました。今後も超少子高齢化の進展により、更なる調剤薬局の業務内容が変化することが想定されます。

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薬剤師業務と責任

1960年に薬剤師法が制定され(第1世代)、現在に至るまで(第5世代)薬剤師の業務内容は上記のように大きく変化してきました。これは職務として薬剤師に求められているものです。

 

話は飛びますが、これで調剤薬局の現場で「薬剤師が足りない」という理由がわかりましたでしょうか?

 

五十数年前は業務項目2つだったのが、現在は18項目の薬剤師業務が存在します。薬剤師の相対的な人数が増えたとはいえ、一人当たりの業務負荷を考えれば大変増加しているのが分かっていただけると思います。

 

薬剤服用歴管理指導料が新設されてからまだ30年しか経っていないんですね。

 

薬剤師の職場環境に記載されている通り、調剤薬局の立地や応需診療科目などによって薬剤師一人にかかる業務の負荷は異なります。しかし、この全18項目の業務内容を責任として考えた場合、どんな診療科目の処方せんを応需したとしても変わらない責任がたくさんある事がわかっていただけますよね。

 

昔は「眼科や整形だから楽だ」なんていう話がありましたが、現在の調剤薬局での薬剤師責任はどんな処方せんを応需しても平等に考えた方がよさそうです。 

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現代調剤の実態

全18項目にもわたる薬剤師の業務ですが、現場の実行度合はどんなものだと思いますか?

 

簡単に言えば「やってはいるが形に残っていない」状況が大半です。例えば「処方内容の確認」は確認をしたら、調剤録にチェックマークを付ける、というような簡易的な管理しか出来ていませんし、「処方意図の解析」に至っては、大半が薬剤師の頭の中で終了してしまっている状況です。

 

薬剤師の業務に対する関心は、世間でも大きなものになっています。調剤報酬の不正請求や薬価差益の問題など日本全体の医療費に関わるため、対価の報酬になっているのかが一つの見方です。

 

当ページで記載のある薬剤師業務については、日本薬剤師会が公表しているものですので、これが薬剤師の担うべき業務であることに間違いはありません。

 

しかしながら実態は、例え簡単な風邪の処方であったとしても一つひとつの業務内容について形を残していき、「ナレッジを積み上げる」ということをしなければならないのですが、現場ではそんな時間は有りません

 

薬剤師業務内容の机上論と実態との乖離は、一度検討すべき時期になっているのかもしれませんね。

 

何しろ、1日40枚=12分に1枚の処方せんを応需しなさいと言われているのですから、無理もないことと思います。

これで調剤薬局の薬剤師の大変さがわかっていただけましたでしょうか?

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<参考サイト>

日本薬剤師会

厚生労働省

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