調剤薬局の仕事を分析-薬剤師人数・処方箋応需枚数の統計データ

薬局の受付と調剤事務

調剤薬局は全国に5万店舗以上出店されていて、一概に「こうだ!」と言えない部分が多々ありますが、店舗数や薬剤師員数などから平均的な薬局の姿(職場環境)をお伝えしようと思います

 

結論から言うと、薬剤師の皆さんがイメージしていた平均的な調剤薬局の姿と違うのではないでしょうか。

 

また、薬局に従事する専門スタッフには薬剤師のほかに「調剤事務」がいます。狭い空間で1日を過ごすのですから、薬剤師と調剤事務のコミュニケーション・業務連携も大切ですよね。現場視点の内容も含めて薬局の職場環境について説明します。

- 目次 -

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1.標準的な調剤薬局とは

2.薬局での適正な薬剤師人数と処方箋枚数

 2-1 在宅調剤と施設調剤に対する考え方

3.調剤事務との連携

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標準的な調剤薬局とは

右(下)の表は平成24年における統計データから割り出した、調剤薬局1店舗あたりの薬剤師員数及び処方せん応需枚数です。平成28年3月現在、これが最新のデータです。

 

調剤薬局の処方箋応需枚数や薬剤師の員数など、色々な話は聞きますが他の薬局と比較して自店がどういった状況なのか判断し辛いですよね。そこで、まずは統計より1年当たりの平均的な薬局についてまとめてみました!グラフをご覧ください。

 

いかがでしょう?皆さんのイメージとは一致しましたでしょうか。処方箋枚数は月当たりに換算すると約1,180枚、薬局稼働日が21日とすると1日56枚です。それを2.74人で調剤すると・・・と考えると一人当たり20枚ということに!という結果になりますが、薬剤師の人数はパート含めてですので一概には言えないところが大きいですね。

 

ただ、「薬局の薬剤師」でも記載している通り、薬剤師の業務は盛りだくさんです。1日40枚なんて調剤できないですよね。

(あくまでも)直感的には25枚~30枚/1日が多い気がします。

 

 

  平成24年度統計データ
 薬局の数  55,797店
 薬剤師の数  153,012人
 処方せんの枚数  78,986万枚
 1店舗当り薬剤師員数 2.74人
 平均処方せん応需枚数 14,156枚

※薬局の数=出典:調剤医療費(電算処理分)の動向の概要~平成25年度版~(厚生労働省プレスリリース)より

※薬剤師数=出典:厚生労働省 厚生統計要覧(平成26年度)より

※処方箋枚数=出典:厚生労働省 厚生統計要覧(平成26年度版)より


薬局での適正な薬剤師人数と処方箋枚数

薬局における薬剤師の適正人数は、その時代や薬局の環境により変化しています。

 

例えば1960年当時、薬剤師に義務付けられた業務は「調剤と用法指示」の2つだけでした。薬剤師の皆さんが現状の仕事と比較していただければ直ぐに分かると思いますが、これぐらいであれば薬剤師が1日40枚の処方箋を応需することは可能でしょう。

 

では、現在の薬局薬剤師に課せられた業務内容を見てみましょう。

 

調剤と用法指示に加えて、

  • 患者インタビュー
  • カウンセリング
  • 処方内容の確認
  • 処方意図の解析
  • 後発医薬品の調剤
  • 在宅調剤
  • 服薬指導
  • 薬剤情報提供
  • 薬歴管理/活用
  • モニタリング
  • リスクマネジメント
  • 患者服薬情報提供
  • 医-薬連携
  • 薬-薬連携
  • 他職種連携
  • コンサルテーション

  ※公益社団法人 日本薬剤師会「薬剤師の将来ビジョン」より引用

 

このように、およそ50年前と2016年現在とでは薬剤師一人にかかる業務量が大きく異なっています。

今後も業務内容の変化とともに、必要な薬剤師人数が変化してくることは覚えておく必要があります。

 

さて、現代調剤における薬剤師の人数ですが、上記でも記している通り1日25枚~30枚(1日8時間の勤務として)が一般的と考えています。

 

これは、様々な薬局の管理薬剤師の方の話を聞いての意見ですので、統計はありません。

薬局の平均薬剤師人数が2.74人ですがこの中に短時間勤務のパートも含まれます。仮に全員が1日8時間の調剤をおこなってとして1日20枚の処方箋枚数です。

 

1日30枚を超えると、薬剤師業務に支障をきたすため上限で30枚程度かと考えます。

※当然、応需処方箋の診療科目により異なります。平均で記載しています。

 

もし現在、30枚以上の処方箋を応需しているのであれば、上記薬剤師の業務内容を一度見直してみてください。

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在宅調剤と施設調剤に対する考え方

現代調剤の特徴として、在宅調剤や施設調剤が広がりつつあります。

 

実は一言で在宅といっても、在宅医療をおこなっている調剤薬局によって業務内容は異なっていますので、一概に必要な薬剤師人数は算出できません。

 

例えば、定期訪問があるのか、往診同行があるのか、看取りをするのか、他職種連携のカンファレンスがあるのか…等、現在の在宅医療の現場では「決められたやり方」がないために、個々に必要だと思われる薬剤師業務に取り組んでいるという状況です。

 

ただ、一つだけ言えることとしては「薬剤師の人数がより必要になる」ということです。

 

知人の薬剤師は、「朝自動車で薬局を出て、8~10件の居宅を訪問して1日終了」といいます。

薬剤師一人で1日10人しか対応できないのですから、在宅調剤がさらに一般的になれば薬剤師の不足はさらに深刻になるかもしれません。

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調剤事務との連携

薬剤師の業務が増え、調剤薬局での薬剤師不足が深刻になると、調剤事務の業務に対する期待が大きくなりました。

 

皆さんもご承知のとおり、調剤は薬剤師しか行えませんが、調剤業務以外での調剤事務の活躍を期待しているということです。

 

大手調剤薬局チェーンの従業員数を見ると歴然です。従業員の半分近くが薬剤師でない会社も多くなりました。

 

レセコンへの処方箋入力を中心に、調剤事務は調剤周りの業務を行うことで薬剤師の業務がスムーズになっています。以前は「調剤事務はパートスタッフ」のイメージがあったかと思いますが、現在、大手の調剤薬局チェーンでは正社員での雇用が進んでいます。

 

薬剤師はその事務スタッフと協力して業務をしなければ調剤業務ははうまくいきません。一人当たり処方箋応需枚数も減っていくでしょう。

 

 

ちなみに私の体験談ですが、調剤事務はベテランにもなると「処方箋ミスの発見」をしてくれるなど、ものすごく頼りになります。

 

私以外にも現場で働いている薬剤師さんは、調剤事務職の存在の大切さがわかっているのではないでしょうか。

 

※「調剤補助業務の是非」については厚生労働省からはっきりとした見解が得られていませんので、悪しからず。

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<参考サイト>

厚生労働省

日本薬剤師会

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